お客様でよく間違われることがあります

桐たんすに薄く黒っぽい染みなどがあらわれてくることがあります。

お客様からも「カビらしきものがあるのですが何とかなりますか?」とよくお問合せがあったりします。

その染みはマダラに出てくることもあります。

縦にスジに出ることもあります。

「ん?なんだこれ?」と思い、「カビかなぁ」「カビだったら嫌だなぁ」なんて思われることでしょう。

カビに見えるけどカビじゃない場合もあるんです。

桐たんすに付着する「カビ」とは?

確かに桐たんすにカビが発生することはよくあります。

「カビ」湿気を好むので長期間湿気の多い場所に置くとカビが発生しやすくなります。

カビと言えば、段ボールに入った「みかん」を取り出そうとすると下のほうが緑色になっていた。なんてことを経験したことがあると思います。

桐たんすに生えるカビはどちらかと言うと黒カビと言われるものが多く、実際には深緑色をしているそうです。

湿った場所を好むので水回りでは要注意です。

しかも奥まで入り込んでいるので、とてもしつこいカビです。

対処法としては

基本的にはカビが生えないように桐たんすを管理するのがベストです。

湿気の多い場所には置かないようにするとか、とくにエアコンの近くですと結露などで湿気たりします。

しかし生えてしまった場合は、やはり修理を依頼して「削り直し」をするのが良いと思います。

カビに見えるけど「アク」

桐たんすを仕事にしている私が見れば「カビ」なのか「アク」なのかは検討がつきます。

まず「アク」とはなにかと言いますと、桐たんすの材料に使う「桐材」ですが、山から切ってきて厚みに製材してすぐに使うわけではありません。

「アク抜き」と呼ばれることをしないと材料として使えません。

桐たんす製造の盛んな地域にいきますと、製材した桐をたくさん立てかけてある光景を見ることができます。

雨風にさらして日光で乾いてを繰り返し2年から3年ぐらい天日干しします。

そうすることで「桐材」に含まれる「アク」が抜けていくんですね。

その他にも、温水に桐材をつけ「アク」が出たら水を取り換えを3回ぐらい繰り返して「アク抜き」をしたりします。

どれだけしっかりと「アク抜き」をした材料で桐たんすを製造したとしても年月が経つと表面に出てくることがあります。

昔の桐たんすが黒くなってしまう理由の一つです。

なので桐たんすには「洗い」と呼ばれる再生方法もあるくらいです。

洗うことで表面のアクを取り除き色をつけ再生する方法です。

対処法としては

材料は古くなるにしたがって「アク」が出やすくなり、新しい材料ほど「アク」は出にくくなりますので、気になるようでしたら、修理の依頼をして表面を張り直すことで綺麗になります。

最後に

新品の桐たんすはとてもキレイに仕上がっていますよね。選ばれた良い材料と熟練された職人さんの仕事のたまものです。

そんなキレイな桐たんすにシミらしきものが出てくると気になりますよね。

買ったばかりの白いYシャツに染みがついてら気になるように。

カビは不衛生なものですが、アクは見た目は悪くなりますが防虫効果があると言われているので衛生的には問題ありません。

なので一概に アク=悪い とも言えないのです。

桐たんすが虫に食われにくいのも桐材にアクが含まれているからかもしれません。

 

カビ、アクの判断が難しいようであればメールに写真を添付して頂ければ清水桐工房にて判断いたします。

 

清水桐工房メール:mail@kiri-shimizu.com

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