箪笥のガタツキ

隙間ってこんない開くの?

木と木の接合部分が経年劣化でノリが利かなくなり引き出しの出し入れの振動などで隙間が生まれてきます。

なので元々は引き出しを入れると他の引き出しがスゥーっと出てくる気密性があったとしても、こうなってしまっては空気はそこから逃げてしまい気密性は損なわれます。

 

桐箪笥の修理をする際はまず、この隙間を無くす(もう一度ノリを入れ木釘を打ったり、ハタガネで締めなおしすること)ことから始めます。

新品の桐箪笥は高い気密性があります。その理由は新しい材料、とくに真直ぐな材料を厳選して、時にはねじれた部分を温め矯正したりして直線にカットします。

そして職人の持つ精度の高い道具(鑿や鉋)で職人の高い技術で直線をしっかりとりながら作るので高い気密性が生まれます。

なので桐箪笥削り直し・再生などでは新品同様にはなります。

仕上がった箪笥を届けると新品は頼んでないですよ!なんて言われたりすることもあります。

古い桐箪笥の再生では新品と比べると気密性はどうしても落ちます。

外観をどんなに直線で削ることが出来たとしても、内部の直線をうまくとれないからです。(もちろん最善を尽くしますし、明らかにネジレや精度が出ない部分は直線や直角を出した材料で補修します)

 

引き出しの高い気密性は引き出しの上下だけではなく、左右をピッタリ削ることで生まれます。

そして、桐箪笥は引き出しを入れたら他の引き出しがスゥーっと出てくるのが良い箪笥だと世間ではよく知られているので、引き出しをわざとキツメにしておく業者さんも中にはいるかもしれません。

また、どうしても古い桐箪笥の再生で引き出しを入れると他の引き出しがスゥーっと入る気密性が欲しいのであれば正面だけ前面張替えをお勧めします。

色も新しい材だと発色が良くなりますし、引き出しの上下左右の直線も新たにとれますし、隙間も減り、その結果新品までとはいきませんが気密性が生まれます。

 

引き出しの高い気密性と引き出しがキツイのでは意味がまったく違ってきます。

こればかりは本当の気密性の高い引き出しを出し入れしてみないと体感できないかもしれないです。

本当に良い材料で良い道具で良い職人さんの技術で作られた桐箪笥の引き出しはびっくりするくらい、気持ちがいいくらい、無理なくスゥーっと入っていきます。

桐たんすの削り直し・再生を依頼する時は、疑問に思ったことはなんでも業者さんに聞いて納得がいってから依頼すればいいのです。

 

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