こんにちは、家具の修理などをしている「清水桐工房」の櫻井です。
桐箪笥の修理をする場合は、鉛筆の墨付けだと精度は出ず、私は毛引きをよく使います。
鉛筆だと、シャープペンでも線が太いんですよね。
シャープペンでは精度がでないのか?と言われれば、「人による」だと思います。
自分愛用の墨付け道具がシャープペンで、毎日使っていれば、線の外、線の内、線の真ん中を利用して、組手をキツくしたり、緩めにしたりと、器用にやる人もいると思います。
どんな墨付けでも、目的の精度が出せるのであれば、すべて正解。
ホゾを作る時なら、ホゾとホゾ穴がいい感じの堅さで入るなら、その目的を果たしていると思います。
ただ、ホゾの場合4面がキツい状態だと木が割れてしまう場合もあり、少しコツがいります。
ホゾ穴については、また後で説明できればと思います。
今日は、「墨付け」について。
墨付けって言葉に馴染みがない人も多いんじゃないかと思います。
簡単に言うと、木材をここで切りたいって場所に線を引きますよね。
これが、墨付けです。
目印みたいなもの。
その線や目印は「えんぴつ」「シャープペン」「ボールペン」「筆」など、自分でわかればなんでも良いと思います。
あ、後、白柿(しらがき)なんて道具もあります。
白柿は、毛引き同様、刃の先端で線を引くので墨付けの精度としては高くなります。
上記画像の細い線のように線が細いと線に遊びがないので、そこに合わせるだけで精度が出ます。
しかし、下側の太い線のようだと、太い線のどっち?に合わせる?なってしまい精度が落ちます。
鉛筆の太さ
趣味でDIYをやるかたは、シャープペンでも、ボールペンでもなんでも構わないと思います。
しかし、大工さんや建具屋さんは「鉛筆」を好んで使ってたりします。
シャープペンの芯の細さには限界があり、ボールペンもめちゃくちゃ細いボールペンってのは、あまり見たことはありません。
(最近では0.3mmってシャープペンがあるみたいで、しかも折れにくいみたいです。)
そこで、鉛筆の先端をカッターで削ると尖らせることが出来ます。
もちろん、すぐに丸まってしまっては仕事が進まないので、なるべく硬い芯を使います。
鉛筆を使う時は、2Hぐらいが私は多いです。
趣味の範囲であればシャープペンで問題ないですが、「鉛筆」を使っていると何だかプロっぽいです。
墨線を間違えた場合
墨線を引いた後、「あ、測り間違えた!、ここじゃなかった。」なんてこともあります。
その後、正規の線を引くと、間違った線と引き直した線が二つ引かれてる場合、「あれ?どっちだっけ」ってことになります。
線を引いて、板をカットしようとした場合
例えば、上記写真で15cmで線を引いたけど、間違いに気づき「あ!14cmだった」となったとすると
14cmで引き直します。
そうすると、どっちが正解の線かわからなくなります。
その時は覚えているつもりでも、他の作業をしていると忘れてしまうこともある。
いちいち消すのも手間だし、最終的にはサンディング(ペーパーがけ)で消える。
そんな時、「こっちが正解だよ」って目印をつけておけば間違えません。
上の写真のような印をつけます。
これが意味する所は
縦の墨線を引いた場合は
大工さんや建具屋さんなど共通で使っている記号だと思います。
算数なんかで出てくる記号で、2<3 みたいな感じで開いている方が正規のラインだよって目印になります。
趣味のDIYなら自分でわかる目印ならなんでも言いと思いますけどね。
一応プロは、こんな感じでやっているので、あれこれどんな目印にしようか考えるくらいなら覚えておいて損はないかと思います。
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