家具に使用されている木材(樹種)は、さまざまな種類があり、使用する目的により硬さだったり、柔らかさだったり、粘りの強いものだったりの材を選びます。
木は、大雑把に2つの種類に分けると、「針葉樹」と「広葉樹」となります。
英語では、
「針葉樹」を「ソフトウッド」
「広葉樹」を「ハードウッド」
と言われていることからわかるように、広葉樹は硬い樹種のものが多いが、広葉樹だから絶対に硬いと言うわけでもありません。
針葉樹の幹は、真っ直ぐ伸びている。
広葉樹の幹は、太くて曲がっていて枝分かれしているのが特徴。
外見の違いだけではなく、細胞と組織の成り立ちも異なっています。
桐(キリ)
科名:キリ(ゴマノハグサ)科(キリ属)
落葉広葉樹
分布:北海道(南部)、本州、九州、中国原産
比重:0.31
特徴
桐は日本の木材の中では1番軽く、世界の木材では2番目に軽い。
世界で一番軽い木材は「バルサ材」ですが、木製家具としての耐久性を考えると世界で一番軽いと言ってもいいかもしれません。
乾燥による収縮が少なく(膨張も少ない)と言われています。
ということは、材は暴れない、狂いが少ないと言えます。
現在の家具でも、引き出しの中は桐で作られたものが多いです。
木目も美しく艶もあり、箪笥などの和家具、琴、下駄、伎楽面(ぎがくめん)、羽子板などの材に使われています。
柔らかく加工はしやすいが、柔らかすぎる材というのは、以外と加工が難しいです。
刃物を良く切れる状態にしておかないと、失敗した時リカバリーがしにくい。
欅(ケヤキ)
科名:ニレ科(ケヤキ属)
落葉広葉樹
分布:本州、四国、九州
比重:0.69
特徴
広葉樹を代表するような木。
材は、実用性と木肌の見栄えの良さを兼ね備え、耐久性や耐湿性に優れる良材。
材の硬さは個体差があり、年輪が粗く重い材は非常に硬い。
硬さ、加工のしやすさ、材の暴れ方などに個体差がある。
昔の和家具の水屋箪笥もケヤキが使われていることがあります。
檜(ヒノキ)
科名:ヒノキ科(ヒノキ属)
常緑針葉樹
分布:本州(福島県以南)、四国、九州(屋久島まで)
比重:天然0.40、人口0.41
特徴
針葉樹を代表する良材。
特有の強い香りがします。
針葉樹は基本的に水湿に強いとされていますが、ヒノキはその中でも優良とされている。
ヒノキの香りはアロマもとしても人気があります。
昔から良材とされ、法隆寺や東大寺、伊勢神宮などの建築物から、仏像、建具など日常に使う物まで幅広く使用されてきました。
上品な色味、耐久性に優れ水に強く暴れ(狂い)が少ない。
加工もしやすく仕上がりも綺麗で光沢も出て強度も高い優れた材。
切ったり削ったりの加工、鉋がけもしやすい。
杉(すぎ)
科名:ヒノキ科(スギ科、スギ属)
常緑針葉樹
分布:北海道(南部)、本州、四国、九州(屋久島まで)
比重:0.36~0.43
特徴
針葉樹の代表的な材になります。
気候、土壌、育林方法の違いから地域によって木目や色などの差が出ます。
材質は、桐よりは硬いが、木材の中で見れば柔らかい部類になります。
水屋箪笥の棚や側板なども杉が使われていることが多い。
杉の一枚板のテーブルなど人気があります。
もちろん、本棚やその他の家具にも使用されています。
楢(ナラ)
科名:ブナ科(コナラ属)
落葉広葉樹
分布:北海道~九州
比重:0.77
特徴
楢(ナラ)と呼ばれる材のほとんどは、「水楢(みずなら)」を指す。
日本では、特に北海道で採取することができるミズナラが高級木材とされています。
ヨーロッパでは「オーク」と呼ばれ好まれています。
落ち着いた木目が美しく色合いも良い。
程よい硬さで強度もある。
耐久性が高いので床材などにも良く使われている。
用途は、家具材、床材、ウイスキー樽など。
タモ
科名:モクセイ科(トネリコ属)
落葉広葉樹
分布:北海道~九州
比重:0.61
特徴
硬さと粘りがあり衝撃に強い。
野球のバットの素材と知られています。
タモ材は粘りがあり折れにくいのでバットの素材に適していると言われています。
近年はバットに向く木が減少しているとも言われています。
家具に利用されているタモは「ヤチダモ」と言われる種類の材です。
ヤチダモは家具に使用される材として好まれる木材です。
材として、重すぎず、軽すぎず、加工難易度も普通となります。
いかにも木と言う色をしていて、木目もハッキリと目立ち綺麗です。
タモ材はその他に「ホワイトアッシュ」と呼ばれる材があります。
ホワイトアッシュは北米産の木材。