上の写真の赤い矢印の所が剥げて磨り減ってしまっている箪笥は結構多いです。
これはなぜ起こるのかと言うと、金具を持って引き出しを出そうとする際に指が当たることが原因だと思います。
金具が太鼓鋲などで浮いていれば指は引き出しに当たらないのですが、太鼓鋲がないと金具と引き出しの間に隙間があまりないので、どうしても指が当たってしまいます。
そして長い年月をかけこのような磨り減りになってしまいます。
指が当たり磨り減るだけではなく、引き出しを出すため金具を引っ張って開けて、持っている取っ手を放すと金具が引き出しにコツンと当たります。
太鼓鋲がついていれば引き出しに直接当たらず太鼓鋲に当たるので、金具の当たりによる磨り減りも防げます。
削り直せば、この磨り減りは消える?
この程度の磨り減りなら削りなおせばキレイに消えます。鉋で削れば磨り減りはキレイに消え、桐本来の美しい木肌が蘇ります。
まれに2mm~4mmぐらい磨り減り削り取られてしまっていると、その部分は新しい桐材で補修となります。
箪笥の引き出しの金具周りはどうしても金具が当たり指や手が当たるので、このような磨り減りが多くなるのです。
桐タンスの修理・再生の依頼をご予定しているのであれば、業者さんに「引き出しに太鼓鋲をつけて欲しいのだけど」と頼めばつけてくれると思います。
そうすることにより金具や指などによる磨り減りは激減できます。