長くご愛用された桐たんす、特に上の写真で赤で囲まれた場所は「上置き」と呼ばれる部分で、普段は引き戸を閉めて置く場所です。
桐たんすは女性が使うのが主ですから、当然引き戸の中の収納は整髪料や化粧品だったりします。
それらのビンを倒してしまってり、こぼしてしまったりすることで、キツい臭いが付いたりしてしまいます。
原液をこぼした臭いなのでちょっと鼻につくような匂いがします。
私の所で桐箪笥の修理の依頼がある時、「このニオイをどうにかして欲しい「」って方が結構います。
もちろん、こういった匂いをとることは可能です。
桐たんすは修理する前に金具を外し、箪笥を丸洗いしますので、その時にほとんどのニオイは消えてしまいます。
そしてよく乾燥させた後に、ペーパーを100番、120番、150番と徐々に番数を小さくしながらかけていくので表面についたニオイもこの時に取れてしまいます。
箪笥を洗う前
紫っぽい所や赤っぽい所が、たぶん整髪料または化粧品をこぼされた後でニオイの原因ではないかと推察されます。
何十年も前の桐たんすなので、汚れもたくさんついていますね!
汚れと染み込んだ液体が混ざり合い不快なニオイになってしまっています。
桐たんすの洗い
桐たんすの修理は、昔は桐箪笥の洗い替えなどと呼ばれていました。今でも言ってる地域もあるかもです。
まずなぜ洗う?と言いますと、「一般的には汚れ落とすんでしょ?」って感じですよね。間違ってはいないのですが、もう一つ役割りがあります。それは傷を浮かせるってことなんです。
木の板をゲンノウで叩いたらへこみますよね。でもスチームアイロンで凹んだ所に当ててみると、あら不思議元にもどっちゃった。
よく旅館などの板状のクネクネっとした座椅子があります。さすがにアイロンを当てて曲げているわけじゃないですけど、専用のデッカイ機械でスチームを当て曲げたい形状のものを当てて形成してるんですよね。
木の椅子のフレームなんかでも、曲木を使ったものがたくさんあります。
そんな木の特性を生かして、凹んだ傷をなるべく復活してあげるのが、桐箪笥の洗いになります。
そうすることで余計な修理をしなくて済むんですよね。
それに、桐箪笥は仕上げにヤシャトノコと言われる塗料で化粧をします。
ヤシャトノコも水分なので、最初に傷を浮かしてないと、トノコを塗った時に傷が浮いてきちゃうんです。
鉋で削って平らになったと思っていたところも、トノコを塗った瞬間にもこもこって浮いてくるんです。
そういったことを防ぐ意味でも、洗いは大事な工程ってことがお分かり頂けると思います。
この洗いの段階で大体、ニオイは消えてしまいます。
よく乾燥させる
洗い終わった桐たんすは上の写真のように、1段、2段、3段、と重なる所に棒を入れて風通しを良くして乾かします。
ペーパーを当て仕上げます
電動サンダーで、100番、120番、150番、とかけ仕上げました。ちなみに番数が小さいほど目の粗いペーパーになります。
整髪料や化粧品がこぼれて染みてしまった箇所の痕跡はなくなりました。
表面を削りとってしまっているので、ニオイが気になることはなくなりました。
汚れも綺麗に落ちたので、また気持ちよく中に収納できるようになりました。
汚れが落ち桐本来の綺麗な白い木肌が美しいですね。
古い桐たんすのニオイで悩まれている人へ
- 桐たんすから嫌な臭いがする
- 直したいけどニオイは取れるのかしら?
そんなお悩みも大丈夫!
臭いもなくなるし、汚れもなくなります。
せっかく綺麗に再生しても臭いがキツいようじゃ収納したくありませんもんね。
- 投稿タグ
- 家具の症状