雨の日の配達はトラブルが多いです。
清水桐工房でも極力雨の日の配達は避けるようにしています。
それでもお客様のご都合上仕方がない場合は細心の注意を払って配達します。
桐たんすの性質上、水は厳禁なので雨の日の配達程ほど怖いものはありません。
例え防水加工を施していたとしても、直接雨にさらされれば無事に済むはずはありません。
家財宅配便や引越しサービスの業者さまも、ぶつけたりしないように運ぶことに関してはプロですが、桐たんすは水に弱いということを知らない人もほとんどです。
古く見える桐たんすでも水染みを嫌う人もいます。
当然と言えば当然です。自分の箪笥の状態は自分がよくわかっています。今までない所にシミが出来ていたら嫌ですよね。
桐たんすですが配達途中でシミが出来てしまったので塗り直して欲しいとご依頼がありました。
上の写真はご依頼があった写真です。
側に水染みがついたので元のような感じに塗り直して欲しいとのことでした。
桐たんすの色つけは部分的に色を合わせるのが非常に困難なのです。
同じ配合で塗っても季節が違えば、違った色味になってしまったりしますし、特に経年劣化してきている色にドンピシャに合わせることなどまず無理でしょう。
なので一度金具を外し、全部を仕上げ直しました。
元の雰囲気を大事にして、古さを残したような色で仕上げ直しました。
古さを残していますが決して古くない桐たんす。
そんなテーマで仕上げました。