お預かり時の写真
ご依頼内容
床から10cmほどの脚をヒノキで製作して、その上に桐箪笥を乗せる。
天板はヒノキで、箪笥本体にピッタリ合わせるように取り付ける。
仕上げは、「着色、ウレタン仕上げ」。
脚も天板も箪笥と同じ色合いで。
金具は現在のものを使用。
リメイク、ビフォーアフター
ビフォー | アフター |
納品後の写真
写真左がテレビボード、右がチェストのリメイクになります。
納品後にお写真を送ってくださりました。
納品後はどのように活用されているのかわかりませんので、お写真を送って頂くと、こんな風に活かされてるんだぁと思いうれしく思います。
お写真ありがとうございました。
作業風景
金具を外し、箪笥を洗いました。
修理
引き出しの割れや、背板の割れ、ガタつきなどを直していきます。
ガタついている所にボンドを入れ、打木で締めます。
ボンドがニュっと出てくる分だけしっかり締まった証拠です。
裏板の割れを埋め木して直します。
底板のガタつきもボンドを入れ圧着させます。
乾いたら、打木します。
引き出しの角が欠けや、小さい傷などがありましたので、埋め木で直し、削ります。
天板のヒノキを取り付けました。
箪笥本体の修理と削りが終わりました。
この後、脚を製作していきます。
脚の製作
脚のパーツを寸法でカットしました。
ホゾ加工の墨付け(すみつけ)をしています。
どこでどうカットするのかの目印の線ですね。
やり方はいろいろあるのですが、画像で使っているのは「ケガキゲージ」と呼ばれる道具で1mm以下を計測できます。
10分の1mmまで測ることができるので精度の高い墨付けができます。
シャープペンも0.1mmの物を使用してます。
0.1mmのシャープペンは精度は高いが、よく折れます。
これ以外では、「毛引き」を使ってキズを付けながら印をつけるやり方などがあり、その辺りは必要に応じてだったり、人それぞれやりかたがあるのではないかと思います。
今回は、必要な箇所すべてに墨を出しましたが、材の厚みなど毎回同じ加工をする場合などは、必要な場所だけ墨を引くだけになります。
部材の使う場所などを頭の中で3Dでイメージできる人はホゾ加工が早くできると思います。
どこの部材で、どの向きで、どういった加工するのかをイメージします。
ホゾのオス(凸)部分の墨付けになります。斜線の部分が欠き取る部分です。
ホゾのメス(凹)部分の墨付けになります。
精度の高い墨付けが出来ただけでは不完全で、今度は精度の高い加工技術が必要となります。
墨通りに切ったり、穴を開けたりは以外と難しいものです。
ホゾが入る穴を開けます。
ホゾのメス、オス、両方の加工が終わりました。
脚の形少し斜めに成形しました。
少し斜めにするだけで、脚がスッキリとした感じに見えます。
真っすぐな脚はベタっとした感じになりますが、直線美を意識した場合は、ストレートな脚もそれはそれで良いのではないかと思います。
この辺りは、好みもありますね。
ボンドを入れる前に、仮組します。
少しきつめにホゾは作るので、ゴムハンマーで叩いて入れます。
ボンドを入れ圧着してます。
もう離れることはないでしょう。
今日は朝から雪が降ってました。
皆さまに事故や怪我などがありませんように。
脚が完成しました。
もう一つのリメイクを仕上げる時に、こちらも仕上げるため、毛布をかけ保管致します。
着色
着色の準備として養生をします。
もう一つのテレビボードと同じ「けやき色」で着色しました。
ウレタンを吹いていきます。
着色はしましたが、塗膜はまだ形成していませんので、ウレタンを吹くと木が吸い込もうとします。
まず、表面を固めるシーラーで目止めを拭いていきます。
最初の目止めで、ウレタンを吸い込む過程で表面が毛羽立ちますので、耐水ペーパーで表面をならします。
乾いたら、拭いて、耐水ペーパーでならす工程を繰り返します。
仕上のウレタンを吹き終わりました。
ウレタンは、時期にもよりますが、3時間ほどで乾いて、手で触ってもベタベタしなくなりますが、中は乾いていないこともあるので1日置きます。
元の金具に色を付けなおしますので、古い塗装を剥がしました。
艶消し黒の塗装が終わりました。
完成写真
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