引き取り時のお写真
見た目は、どことなく和を感じますが、作りは洋風家具だと思います。
昔の茶箪笥などは、収納する箇所が引き違い戸などで作られています。
すべてが扉と引き出しで作られている辺りが、洋風を意識した作りです。
リメイク内容
現在使用している大型のテレビが収納できるように空間を作る。
高さを現在よりも低くする。
天板は、そのまま使用。
写真向かって左側に天板を支える脚を製作する。
表面を磨き、ウレタン塗装を施す。
DVDプレーヤーが収納できるように低い棚を製作する。
ガラスの汚れなどを磨いて綺麗にする。
配線コードの穴を開ける。
ビフォー、アフター
リメイク前 | リメイク後 |
リメイク後は、スッキリとした印象になりましたが、それでも収納はたっぷりできるので使い勝手は良いように思います。
現在主流の薄型で大型のテレビでも置けるようにスペースを確保しました。
納品した後の収納
納品後、収納されたお写真を送って頂きました。
DVDプレーヤーが収まる棚を付けたことで、色々なものがスッキリ収まってるように思えます。
後から、自分でどうにかしようとすると、このテレビの重さに耐えられるほどの厚みの板はなかなか無く、ホームセンターなどで売ってる何かで代用しようとすると、重みでたわんでしまったりするんですよね。
写真右側のガラス扉があるおかげで、ぱっと見で何が入っているのかわかるし、取り出しも楽なので使い勝手が良さそうです。
引き出しも多く、扉の収納も2つあるので、必要なものはほとんど収納できるんじゃないでしょうか。
収納後の素敵なお写真ありがとうございました。
修理
天板を取り外しました。
天板はダボ構造でつけられていました。
天板はフラッシュ構造で、ダボを打つ場所に下地が入っていて、他は空洞の構造でした。
かなりの大きさなので、フラッシュ構造で軽量化しなければ重量がすごいことになります。
必要な箇所を残して他を取り除いていきます。
これでテレビボードの原型が出来ました。
背板は溝にはめ込まれて、その後動かないようにタッカーで止めていたようです。
この溝は、また使うのでタッカーの刃を取り除きます。
タッカーとは、デカいホチキスみたいなもので、電動タッカーで打たれたものだと思います。
家具を切断した箇所がフラッシュ構造で出来ていて空洞の箇所があります。
天板をダボで接ぎたいので、空洞の箇所に下地を入れます。
ボンドを入れて圧着します。
これで、この下地に穴を開けてダボ穴を開けることが出来るようになりました。
使用しない部分を取り除いたので、ダボ穴やらボンドの後などありますので、この上に薄い桐の突板を貼っていきます。
1700mmぐらいの長さを画像のようにカットしたのですが、うちの横切り盤には入らないので、丸ノコで切断しました。
うちの横切り盤では、赤矢印の範囲が最長となります。
1300mmぐらいの長さまでしか切れません。
丸ノコには、標準で丸ノコ定規を付けられる場所があります。
丸ノコ定木の範囲であれば、好きな位置で、どんな長いものでもカットすることが出来ます。
しかし、丸ノコが年代ものですね。
かなり重いです。
横切り盤や昇降盤がありますので、あまり出番がないので動くうちは使っているのですが、そろそろ新しい物が欲しいですね。
このカットした桐合板をサイズに合わせてカットしていきます。
合わせる位置が多いので、意外と大変です。
こちらもダボ穴の跡やボンド、ダボにくっついて表面が剥がれた跡などありますので、こちらも桐の突板を貼っていきます。
使用する部分、見える部分は綺麗にしていきます。
画像のように貼っていきます。
貼る前にボンド跡や汚れ、べニアの剥がれ微妙な凹凸をサンダーでならします。
ならした跡の粉をよくふき取ってからボンドを塗ります。
ボンドを塗ります。
圧着してボンドが固まるのを待ちます。
天板の裏もダボ穴や、取り外す時に剥がれたりして見栄えが悪いので新しい材を貼ります。
天板裏に新しい材を圧着させています。
ダボ穴開け
フラッシュ構造(中が空洞)なので、元々のダボ穴がある位置にしか下地がないので、元穴をそのまま利用します。
ダボ穴にダボマーカーを入れて、取り付ける脚を上に載せます。
マーカー中心が尖っているので、取り付けたい脚に印に穴が開き、それを中心として穴をかることで、綺麗なダボ接ぎが出来ます。
仮組
天板が汚れていたので、表面を少し削り着色しました。
脚の塗装
見本から選んで頂いた色で着色しています。
ウレタン塗装
ウレタンを吹いていきます。
天板を支える脚の着色とウレタン吹きが終わりました。
本体のウレタンを吹いていくのですが、塗りたくない箇所に養生します。
ガラス部分も養生します。
表面を耐水ペーパーで磨きます。
表面の汚れや傷んだ塗膜をならします。
耐水ペーパーをかけることで、細かく表面が荒れますので、ウレタンのノリがよくするためでもあります。
天板の裏にウレタンを吹きました。
ウレタン吹き、一度目は乾くとガサガサします。
それを耐水ペーパーで磨きます。
背板、天板、本体、など、新しく貼った箇所から最初にウレタンを吹きました。
下段本体をウレタン吹き。
引き出しや扉もウレタンを吹き付けました。
ウレタンが乾いたので、外した扉や金具を取り付けました。
天板と製作した天板を支える脚、背板を入れて本組しました。
ダボ穴と接地面にボンドを塗りハタガネやクランプで圧着しています。
ガラスの汚れ落とし
ガラスも汚れていたので、ガラスの裏、表、ともに磨いて綺麗にします。
綺麗になりました。
タワミ防止
テレビを置くスペースの背板が、かなり大きいサイズの合板を使用したので、フカフカするので、後ろからタワミ防止で真ん中に角棒を取り付けました。
T字金具で持たせています。
ほぼ仕上がりですが、これからDVDプレーヤーを収納するための棚を製作。
DVDプレーヤーを収納する為の棚の製作
まず、棚を作る元の台が水平かどうか確認。
奥行方向、幅方向ともに許容範囲で水平でした。
棚に使用する材料は、
脚:パイン集成材の3cm
棚板:パイン集成材2.5cm
部材をカットして仮置きした状態。
こんな感じで取り付けます。
左右の脚は横にビス止めするので問題はないのですが、真ん中やや左に取り付ける脚は写真の場所の下に下地があるので、ダボ接ぎで止めます。
下地の場所を構造から情報を読みとって割り出します。
白テープで囲った場所に下地があると思われます。
棚の脚にダボ穴を開けます。
開けたダボ穴にダボマーカーを入れます。
下地のある場所に上から真っすぐに押し付けます。
するとダボマーカーの跡がつきます。
これを中心に穴を開けるとダボ接ぎがうまくいきます。
ダボ位置だけ正確でも、ダボ接ぎはうまくいきません。
ダボが真っすぐ入らなければ、相手の穴に入らないからです。
ですので、写真のようにダボマーカーで小さい穴の印をつけたのを基準とします。
8mmのダボを入れるのでドリルビットは8mmを使用します。
中に入ってる金具に8mmの穴が開いている
この金具の穴に突っ込んで穴を開ければ、スペーサーガイドの役割をして、真っ直ぐな穴を開けやすいです。
ダボ穴が開きました。
もし、下地がなく空洞の場合は、途中から手ごたえがなくなります。
しっかり手ごたえがあるまま穴が開きましたので、下地があったことの証です。
実際にダボを入れ、仮組します。
ダボがいい感じに入りました。
こうやってつけることで、この脚がフカフカすることはなくなります。
ボンドだけでもいいかもしれませんが、このほうがより安心です。
ホールソーと言う刃物を使い穴を開けます。
棚を取り付けてからえは、穴を開けずらいので、この段階でDVDプレーヤーの配線穴を開けます。
DVDプレーヤーの配線穴は、約3cmの穴を開けました。
テレビの配線の穴は約5cmで開けます。
脚を側面の下地にビスで止め、ビス頭をダボで隠します。
棚の脚も棚を取り付けてからでは、塗装しずらいので、この段階で色をつけウレタンまで吹いておきます。
板を購入して、どんなに綺麗に見えても、着色、ウレタン前には生地を整えなければ、綺麗な着色とウレタンを乗せることは出来ません。
荒い番数のペーパーから細かいペーパーに替え木地を整えます。
棚板を着色しました。
ウレタンを吹いた状態です。
綺麗にウレタンがのってます。
写真では少しテカって見えますが、乾くとテカりは消えます。
艶けしのウレタンなので必要以上にテカることはありません。
ウレタン吹きが終わりました。
ダボ穴にボンド入れ棚板と接合します。
ダボは水分を含むと少し膨張するので、接合した後、ダボが膨らむことにより、よりしっかりした接合になります。
この棚板に開けたダボ穴と接合します。
面積の多い場合は、普通の白ボンドを使いますが、ダボやホゾなど接合する場合には、私はタイトボンドを使用しています。
乾きも早く、接着後の強度も良いように思います。
普通の白ボンドと比べると、水に強く、熱にも強いみたいです。
家具作りをするプロも愛用しているボンドです。
棚を取り付け、テレビの配線穴を約5cmで開けました。
リメイク完成写真
リメイク完成写真になります。
納品、据え付け
納品の際は、お世話になりました。
テレビを実際に置いてみると、丁度いいスペースでした。
仕上がりも気に入って頂けたようなので良かったです。
収納後のお写真を送って頂きました。
DVDプレーヤーが収まる棚を作ったことで、テレビ周りがスッキリとした印象になりました。
お写真ありがとうございました。
今回のリメイクのように、形を変えることで、今の時代に合った収納などにすることが出来ます。
テレビも昔は、ブラウン管で現在の物より小さく、奥行のあるものが主流でした。
それが、現在では薄くて大型なテレビが主流になってます。
使い勝手の良さは、その時代によって変わってきます。
昔の家具で使い勝手が悪いなと感じる場合はリメイクで良くなるかもしれません。
テレビを覆うような既製品のリビングボードを買おうとすると20~60万円ぐらいすると思います。
何より、先代が残してくれたものを何とか利用したいと思う方も多いです。
そういう思いを大切にする人のお役に立てるなら幸いです。
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