預かり時のお写真
扉の取っ手のツメと呼ばれる部分が根元から折れてしまっていますが、金具屋さんと相談して直してもらうことにしました。
金具一個だけであれば補修費はそれほどかかりませんが、10個や20個の補修となると5万円~10万円ぐらいかかる場合がございます。
金具は型で作っていたりするので、量産型の金具であれば新品に交換すればそれが一番安く済むのですが、もう作られていない金具を直すというのはコストがかかります。
現在、こういう金具の補修が出来る職人さんも減ってきているので、致し方ないと思われます。
思い入れがある金具で、どうしても直したい場合は直すことが出来ます。
引き出しが引っ張り出しずらいものがありましたので、削ってスムースにして、金具のない箇所がありましたので似たような金具をお付けすることになりました。
元の雰囲気をなくさないようにとのご依頼でした。
鏡台の金具を外し、カガミを取りはずしました。
箪笥を洗う
金具を外して、箪笥を丸洗いいたしました。
箪笥の修理
箪笥の背板や、側面が割れていたので、埋木にて修理していきます。
埋木などで修理した箇所が多少の目違い(段差)があるので鉋で削って平らにしていきます。
埋木した部分を削りながら箪笥の表面を削っていきます。
箪笥の正面を粗削りしました。
ここから仕上げの削りをしていきます。
引き出しの削りが終わりました。
台輪を製作していきます。
台輪は昔ながらの作りで板と板を欠き取って木釘で止めて製作しています。
台輪が出来上がりました。
多少の目違いなどを鉋を使って削っていきます。
時代仕上げにするため、箪笥の表面を焼きました。
桐箪笥の表面を焼くと黒いススで覆われますが、ススを落とすと木目が際立ちます。
引き出しの中を綺麗にしていきます。
引き出しの中も塗装されていたので、元の色を落としながら汚れも一緒に落としていきます。
鏡台の引き出しの中の塗装を磨いて落として綺麗に塗り直します。
綺麗になりました。
これで気持ちよく引き出しの中に物が収納できるようになりました。
多少の傷などは残ってもいいから元の雰囲気を残して欲しいとのことでしたので、元の雰囲気を壊さないよう磨き過ぎないように磨いていきます。
古い家具の修理などをしていると、どうしても新品のように綺麗にしたくなってしまうのですが、人によっては新品みたいになるのを嫌がる人もいます。
古い雰囲気が残ることで、少し歴史を感じられますし、多少の傷や染みも祖先が生きた証とも言えます。
古い雰囲気を残したい場合などは、ご依頼時に言って頂ければ、そのようにいたします。
何も言わないと、こちらからはわからないので、なるべく綺麗にしてしまいます。
塗装をするための養生をしました。
元々の色の発色をよくするため薄い色で塗ります。
表面を保護するためのウレタンを吹いていきます。
発色が良くなりました。
カガミも汚れていたいる時はクリーニング致します。
修理・再仕上げ完成写真
桐たんす
扉の内側にカビなどが多数ありましたが綺麗になりました。
太陽光に当てると白く感じますが、家の中に置くとグレーっぽい色です。
家の中に置くと黒っぽさが増すと思います。
扉の取っ手の金具は、金具屋さんが折れた割り足を綺麗につけてくれて、取っ手のの下の細長い座の金具が片方なかったのを作ってくれました。
鏡台の再仕上げ
鏡台の鏡の角度が好きな位置で止まるか確認しましたが問題なく止まります。
鏡台はこのカガミを支える金具に不具合が出ている場合が多いです。
金具自体がダメになっていたら取り替えになりますが、原因を探ると金具以外に問題がある場合も多いです。
今回は金具自体に問題はなかったので、原因を取り除くことで締まりをよくしました。
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