ご依頼内容
箪笥は4段になるよう画像のように下1段を切断して4段にする。
一番上の引き出しが2つあった仕切りは、扉が閉まるようになっていればいい。
扉は、金具でフラットに止まるのではなく、下開きでブラブラする形。
箪笥の一番したについている台輪を取り外し、机の天板に使用する。
新材で天板を取り付ける。
新材で引き出しが収納できる枠を製作する。
引き出しの高さは16.5cmから7cmに変更す。
これはテーブル天板に使用する。
脚は、ご自身で用意。
アイアン脚をオーダーするので、天板の修理が終わりサイズがわかった所で、ご連絡をする。
キャスター、蝶番、取っ手、はご自身で用意された物を送って頂いて使用する。
仕上げは、オイルフィニッシュと蜜蝋仕上げ。
色は、着色時ご相談。
お預かり時の写真
送って頂いた金具とキャスターです。
納品されてからのお写真
納品されてから据え付け後の写真を送って頂きました。
フローリングの色とも絶妙にマッチしているように思います。
オイルフィニッシュの「マホガニ」が良い仕事をしてくれました。
キャスターが付いているので移動も楽々ですね。
桐たんすはこういうリメイクも出来るんですね。
ご依頼者様の発想やセンスで色々なものに変化できます。
デスクの天板はこのようになっています。
タモの木目が綺麗で見とれてしまいます。
鉄脚はご自身でつけられるとのことでしたので、据え付け後のお写真を送って頂き初めて目に出来たので、うれしかったです。
リメイクしたチェストとデスク、ご依頼者様の元で長きにわたって活躍してくれることと思います。
お写真ありがとうございました。
リメイク風景
箪笥の金具は外しました。
箪笥の洗いが終わりました。
引き出しの前板を使い、下開きの扉のようにして、中に収納できるようにするのだと思いますが。
工房へ箪笥が届いてからわかったのですが、中が空洞の構造になっています。
赤線で囲った部分が空洞になっています。
このままでは中に収納が出来ませんので、空洞の部分をどうにかしなければなりません。
図にするとこういう構造になっています。
すべての引き出しが、この構造です。
赤矢印の上に板を乗せます。
画像のように前から新しい材を入れます。
このやり方の場合、あまり暑い板を乗せると高さが厚みの分失われるので収納が少なくなるので、厚みは7mmぐらいの桐板を貼ります。
リメイク開始
切断する位置に墨出ししておきます。
この墨に沿って切断します。
切断しました。
収納できるように板を貼ります。
とりあえず、板を寸法どおりにカットして仮置き。
このまま板を置くだけでは、少し心配ですので、安定するように下地を作ってから貼ります。
写真のような板を、形が決まった物、写真だと左側、右側、奥、の三方向に隙間なくカットするのは以外と難しいんです。
奥の寸法と手前の寸法が微妙に違っていたりするので、真っ直ぐカットしたのに、「あれ?手前は合ってるけど、奥は結構な隙間が!」なんてことになります。
手前の寸法も測り、奥も測り、少しずつ調整しながら入れて合わせるより他ありません。
引き出しを使用した天板作り
箪笥を切断したものが、引き出しを収納するデスクに利用できそうなので、これを使います。
チェストの空洞だった所に下地を作りました。
棚板を取り付け。
引き出しは前板しか使用しないので、分解していきます。
当て木をしてハンマーで分解します。
引き出しの底板は四方に溝が掘ってありはめ込まれてました。
これを「ハメ殺し」と言います。
はめたら最後、壊さない限りは取ることが出来ません。
使用する前板の後ろに反り止めを入れておきました。
反り止めには、上画像の「ヤマザクラ」を使用しました。
山桜は、反りや狂いに強く強度も粘りがあり強く、キクイムシなどの虫の害などにも強いと言われています。
桐と比べると、とても硬い木です。
硬くないと反りを防止できません。
前板の裏に、端と真ん中の三か所に反り防止に入れておきました。
桐は材木の中では狂いにくいと言われていますが、板のままですと、さすがに狂う可能性がありますので、その防止です。
きっと、このヤマザクラが反りや曲がりなどから守ってくれることでしょう。
切断したチェストの底板を取り付けます。
棚と底板を取り付け、削り直しまで終わりました。
丁番の掘り込みを作り、スムースに動くか仮付けして確認。
うまくいきました。
天板を取り付けるための下地を作っています。
もう少しで、寸法が決まります。
出来上がったデスク部分
その上に台輪を乗せます。
台輪は、タモ材が届いてから取り付け、細かい調整をします。
デスクの底部分は、これ以上はいじらないので、寸法が決まりました。
幅:998mm 奥行:449mm
下画像でご確認ください。
幅方向:998mm
奥行方向:449mm
着色
着色が終わりました。
金具の取り付け
キャスター取り付け
ロック機構のついたキャスターなので、ロックをかけやすい位置に付けなければ、後でロックをかけるのが大変になります。
通常ロック機構がない場合、タイヤがクルっと回転した時にタンスからはみ出ない位置につけます。
以下の図が通常
タイヤが横を向いた時にタンスからはみ出ない。
タイヤが縦になった時にタンスの前面に出ない。
ロック機構がない場合は、このような取り付けになります。
タンスをゴロゴロ動かす時に、タイヤが見えると見栄えが悪いという考えです。
しかし、ロック機構がある場合、この取り付け方ですと、手を中に突っ込まないとロックがかけられませんし、ロック機構がかたいと中々ロックがかけられません。
なので、ロック機構のキャスターの場合、以下のように取り付けます。
ロック機構を出して取り付けます。
ロックが少し硬いので、手のひらを押し付けるように押します。
指の力だけでは、うまくかからないかもしれません。
上画像のように足でロック機構を踏むと楽かもしれません。
キャスターの取り付けが終わりました。
デスクの天板
タモ材が到着しました。
製作したデスクにタモ材を乗せてみました。
丸く面を取る
仕上イメージ
タモ材に霧吹きで表面を濡らしました。
この濡れ色が、ウレタンを吹いた時の色味になるかと思います。
上の写真が「クリアオイル」です。
上写真は「メープル」になります。
天板をRで削りました。
桐箪笥をチェストにリメイク完成写真
チェストを裏返したキャスター部分の写真です。
桐箪笥をデスクにリメイク完成写真
据え付け後の写真
ご依頼者様に大変喜んで頂いたので私もうれしく思います。
こんな風にしたい!と言う思いが、形になっていくって素敵なことですね。
ご依頼ありがとうございました。
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