総桐ってなあに?
お客様から削り直しのご依頼で預かった整理箪笥です。
昭和の時代設定などのテレビの「朝の連続ドラマ小説」などに出てきそうな桐タンスですね。
お蕎麦屋さんなどの店舗で雰囲気作りで古い桐タンス置いてあったりします。
総桐箪笥で出来ていました。
名前の通り、総桐はすべて桐で出来ています。
タンス正面も側も引き出しの中も背板も、そう、丸ごと桐なんです。
桐タンス自体とても貴重ですが中でも「総桐箪笥」は長いことこの仕事をやっていますが、10本いや20本に1本くらいの割合な感じがします。
桐たんすの呼び方と型
タンスは一棹(ひとさお)二棹(ふたさお)って言うのですが、1本2本って言うのが一般的にはわかりやすいかもしれないですね。
大きい引き出しが5段、小引き出しが3つ、この型の桐たんすのことを「五重三つ」と言います。
そして、引き出しだけで、扉がないタンスのことを整理箪笥と呼びます。
タンスの後ろの背板は、こんな感じ、何箇所か割れている所がありますが、何十年も経過しているわりに少ないほうです。
こういったワレ、欠け、ガタつき、などを直してからカンナで表面を削っていくのです。
カンナで削っても取りきれない傷などは、部分的に修理します。
「総桐」で作られた形は「五重三つ」で色は「トノコで仕上げた」整理箪笥です。
とてもキレイに仕上がったと思います。
金具は元々ついていた物に似た新品の金具をとのご依頼でした。
桐たんすには専門用語がたくさんありますが、聞いてしまえば結構シンプルな言葉も多いです。
ですが、難しい言葉はさておき、綺麗に仕上がった桐たんすを楽しんでもらえれば幸いです。