ウッドショック
令和3年9月現在、半年以上前から「ウッドショック」のことをニュースなどで耳にした人も多いかと思います。
まだ、現在も続いています。
木が値上がりしても直接関係ないと思われる人もいるでしょうが、これが長く続くとあまりいいことはありません。
まず、「ウッドショック」って何ってことですが、
簡単に言うと木材価格の高騰です。
需要と供給のバランスがくずれてしまって、供給する量より需要の方が上回ってしまっている状態です。
では、なぜ需要と供給がくずれてしまったのか?
コロナから始まったウッドショック
きっかけは「コロナウイルスの蔓延」で、世界の経済がストップした時期に労働者が減り伐採が出来ず製材の工場の稼働も下がりました。
稼働が下がっても、家を建てる人がいなければ、価格の高騰は起こらないのですが、アメリカや中国では経済政策の一環として住宅ローンの低金利政策が行われました。
人々はリモートワークを余儀なくされ、外に出ることよりも家にいる時間が長くなり住宅ローンの低金利も追い風になり郊外に家を建てる人が増えたことで需要と供給のバランスが崩れたと言われています。
アメリカや中国では建設ラッシュとなった訳です。
これにより日本に輸入材が入ってこなくなりました。
アメリカや中国で需要が高いのに、品質と価格にこだわる日本に出荷する理由もないって訳です。
コロナのせいで家で過ごすことが多くなったことからネットショップの利用などの需要が増え、流通も圧迫されコンテナ不足になっているそうです。
これらも、木材の輸入の足かせになっていると言われています。
日本の住宅メーカーは大半を輸入材に頼っていると言われていますので、「日本に材木が全然入ってこない!」状態になった訳です。
材木の価格が高騰もありますが、そもそも今まで使っていた外国の材木が日本に入ってこないのです。
国内の木材も高騰
そこで、国産材を代用することになり、国産材も供給が間に合わず価格が高騰しています。
いきなり国産材の供給が増えても、日本の林業は衰退してしまっていたと言われています。
なので、すぐに沢山伐採しろと言われても出来ないのが現状なのだと思います。
今は、国産材が高騰しているとはいえ、外材が安定供給し始めたら、またハウスメーカーはそちらにいってしまうことを考えると、無理して設備投資をしてまでやるのは不安も残るってのも理由の一つだと思います。
日本の住宅メーカーも木材を確保できない会社も増えてきていて、家を建てたいと言っても木材がないので着工の目安がつかない、もしくは後期が大幅に伸びるなんてことも起きています。
これ以上木材の価格が高騰してしまうと、そのかかくを消費者に転化しなければいかない時がきます。
そうすると値段が高いと契約を解除なんてことにもなりかねません。
すでにホームセンターで売られている材木ですら値段が上がってきています。
令和3年9月現在では、コロナ感染が少なくはなってきていますが、リモートワークが定着して変わらずアメリカ・中国の建設ラッシュが続くかぎりは木材は高騰し、家を建てる時の住宅価格も上がっていくと思われます。
普段、木に関係のない生活をしている人でも、木材高騰の弊害を受けることも多々出てくることもあるかと思います。
これを機に、国産材を十分に供給できる体制と林業従事者が増えてくれればいいなって個人的には思います。
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