こんにちは、家具の修理や塗り直しなどを仕事にしている「しみず工房」の櫻井です。
桐箪笥の修理にビスを使うことはないのですが、古い家具の修理で作り直したいほど反ってしまっている場合などボンドを入れビスで矯正することがあります。
もちろん、ある程度の厚みの木が反って暴れていると、ビスでも矯正できないことが多々あります。
木の曲がる力はそうとうなものです。
予算の都合上、そういう修理方法で納得していただいた場合は、ビスを使った修理などもしています。
DIYで本棚や棚を作る時など板と板の接合にビスを使うことも多々あると思います。
木を使って何かを作りたいと思う人に役立つかな?ってことを記事にしています。
どんな時にどんなビスを使うのか?
ホームセンターのビス売り場でコースレッド「全ネジ」「半ネジ」なんて書いてあるビスがあり、あまり気にかけないで買う人も多いんじゃないでしょうか?
大体の人は、厚みのある板を接合したいから長さだけ見て買う。
半ネジ
半ネジとは上の写真の通り、ネジ部分が半分で出来ています。
なぜこんな構造なのか?
ドリルで進んで、ビス頭で引っ張る、そんなイメージでしょうか。
なので木材を密着させたい時には「半ネジ」。
じゃあ、「半ネジだけあればいいじゃん」と思うかもしれませんが、半ネジも万能ではありません。
半分から上は、ネジ山が切ってないので、ビスの頭が劣化して取れてしまったら?
ビスの頭で引っ張ってる構造なので、頭がなくなったら木材が動いて隙間になってくる、もしくは木材がスルっと取れてしまうかもしれません。
説明画像のビス頭がなくなった場合、手で引っ張ったら抜けそうだと思いませんか?
とは言っても、そう簡単にはビス頭が取れるようなことはないとは思いますが。
趣味のDIYなどでしたら接合接地面にボンドもつけていれば、半ネジで十分とも言えます。
全ネジ
全ネジは、上の写真の通り根っこまでネジ山があります。
二つの木材を全ネジで接合した場合、ネジ頭が取れてしまってもネジ山が二つの木材に通ってるいるので木材が離れられない構造になっています。
説明画像の木材を手で引っ張っても取れるイメージ沸かないですよね?
じゃあ、「全ネジだけでいいじゃん」となりそうですが、全ネジも万能ではありません。
全ネジを使ったことがある人はわかると思いますが、上写真のように木材と木材の間に隙間が空いてしまうことが多々あります。
これを回避するには、クランプて固定してからビスを打つ。
もしくは、ボンドを塗ってクランプで固定してボンドが乾いてから全ネジを打つ。
などが必要となります。
何も固定してない状態で全ネジを使うと、写真のようになり「俺ってぶきっちょだなぁ」と思ってしまうかもです。
いえいえ、そんなことはありません。
全ネジ、半ネジを理解していないだけで、適材適所の使い方を知っていれば、こういうことはなくなります。
ちゃんと全ネジを打てたなら、ネジ頭に依存しない分「全ネジ」の方が強度は高いと言えるかもしれません。
スリムビス
スリムビスにも「全ネジ」「半ネジ」はありますが、構造は先に説明した通りで同じです。
スリムビスの良い所は、木材の厚みがない場合、下穴を開けても太いビスを使うと割れてしまったり、ヒビが入ってしまう可能性があります。
そんな時、スリムビスの出番です。
1×4材などにはスリムビスの方がいいかもしれませんね。
まとめ
ビスを打つメリットってなんでしょう?
木で何かを作る場合、早く形にしたいですよね?
早く次の作業に移りたいですよね?
そういう場合は「半ネジ」を使うと木材どおしを引っ張って密着(圧着)させてくれるので、ボンドが乾くのを待たなくて済みます。
その上で、さらに補強が必要だと感じた部分は「全ネジ」を使うなど臨機応変に対応するのがいいと思います。
「半ネジ」には半ネジの良さが、「全ネジ」には全ネジの良さがあります。
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