こんにちは、桐箪笥の修理再生やリメイク、家具の修理全般の仕事をしている櫻井です。
木材で何か作ろうと思ったら、必ず測定道具が必要。
プロ、アマ問わず必要となってきます。
木材のカットやら、ダボの間隔、ビス打ちの間隔、加工する溝の深さ、部材のカット幅、などなど。
普段、私が使っている道具を紹介します。
もちろん、この計測道具は仕事にも使用しています。
コンベックス スケール(メジャー)、スチール巻き尺
スケール、これが無いと始まらないと言っても過言ではないと思います。
仕事が家具全般なので、2mもあれば足りるので普段はこれを使っています。
長いスケールになると重いので、これぐらいが使い勝手が良いです。
スケール(メジャー)の先端の金具が材に引っかかるので便利です。
先端の金具が少し動くのは、引っ掛けた時に金具の隙間が1mmなるのが計算されて作られているからなんです。
逆に押し当てて使う場合は、先端の金具が1mm引っ込んで金具分を引いて測れるんです。
これを「0起点補正」と言うらしいです。
専門用語は最近知りました。
先ほどの似ていますが、こちらのスチール巻き尺は「尺目盛」になってます。
主に大工さんが使ってますね。
尺目盛の下側は普通のメジャーと同じでmmで表記されています。
尺目盛の巻き尺では一番小さい単位が「5厘」です。
次が「1分」、1分が3mmぐらいかな。
次が「1寸」1,2,3と数字が割り振られているのが「寸」の目盛りです。
次が「1尺」、10の単位までいくと1尺になります。
画像の目盛りが小さくてわからりずらいですが、こういった言い方をします。
普通のmm表記のメジャーを買うつもりで、間違えて買わないようにしましょう。
差し金(さしがね)、曲尺(かねじゃく)
差し金は寸法も測れますが、それ以外の使い道の方が私自身は多い気がします。
例えば、本棚を作ったとして、その本棚は床から直角に立っているのか。
差し金を床と本棚に当てれば、ズレをみることが出来ます。
実際には、組み立てる途中で差し金などを当てながら直角を意識しながら組み立てていくことで、曲がった作品になることを防ぎます。
写真のように切り口が直角が出ているのであれば差し金をあてがい鉛筆で墨付けすれば直角の線が引けます。
差し金は、ついついその辺の床に置きがちなんですが、そういう置き方をすると間違いなく自分で踏みます。
精度が命の道具ですので、踏んで曲がってしまっては信用できなくなるので注意が必要です。
作業台の上に置くか、引っ掛ける場所があれば安全だと思います。
スコヤ
スコヤは色々な場面で使用しています。
大工さんなら差し金なんでしょうけど、家具製作ではスコヤの方が便利な気がします。
しかし、測定道具としては、あまり使っていません。
写真のように材にあて直角で墨つけするのに優れています。
差し金と違い、材にあてる部分の鉄が厚くできているので直角にあてやすい。
差し金はペラペラなので、慣れないと材から外れてしまったりします。
こちらのスコヤも同じような使い方も出来るのですが、写真右側が45℃になっているので、45℃ですぐに墨付けすることが出来ます。
とても便利なのですが、L字のスコヤに比べると若干重いので、普段はL字のスコヤを使うことが多い。
45℃カットする時のノコギリのガイドとしても使えます。
直定規
正式名称よくわかりませんが、直定規と呼んでいます。
何気によく使っています。
溝がちゃんと掘れているか確かめたり、部材の幅を決めるのに昇降盤の刃物までの距離を測ったりするのに使用しています。
プロトラクター
45℃で墨付けする方法は、45℃のスコヤで出来ますが、それ以外の角度ってどうやって墨付けすればいいのか?
分度器で測る、それもありです。
ただし、精密性が求められる時はプロトラクターに部があります。
部材にあてがい任意の角度を決めます。
決まったら中央のネジを固定して動かないようにしてスッと墨を付ければ、その角度で墨付け出来てしまいます。
精度も高いです。
ノギス
ノギスは主に、部材の厚みを揃えたい時や、円形状の物を測る時に使います。
簡単なノギスの目盛りの読み方ですが、赤丸の0から赤矢印の0がどこにいるかです。
赤矢印0は、赤丸0から8mmの所にいます。
なので、このドリルのφ(直径)は8mmということになります。
その辺に転がっているドリル「あれ?このドリル何φだっけ?」なんて言うのもノギスで測ればすぐに解決です。
ドリルの根っこに直径書いてあった気もしますが。
小さい目盛りの0が中途半端な所にいる?
この時大事なのは、とりあえず6mmは超えていることだけをまずは確認。
下側の目盛りがずれていますが、だんだん合ってきて黄色矢印の6の位置で重なっています。
なので、この板の厚みは6.6mmという事になります。10分の1mmの精度で測れます。
簡単に言うと1mmよりさらに細かく測れるということです。
物によっては100分の1まで測れるものもあるらしい。
最近ではデジタルノギスなどもありますから、写真の目盛りを覚える必要はないかもしれませんね。
毛引
毛引の刃からの距離を保存する道具といいましょうか。
ある一定の幅で固定するんですよね。
例えば、2cmのホゾを作りたいと思った時、写真のように刃までの距離を2cmにセット。
このままネジで動かないように固定します。
ネジを緩めないかぎりは、ずっと2cmのままです。
そしてグラつかないように押し当てながら引いていきます。
刃物でキズをつけました。
先端は尖った刃ですので、鉛筆の墨付けより精度が高いかもしれません。
実際に測ってみました。
ちゃんと2cmになってますね。
このまま、四方にぐるっと毛引を引けば一周2cmの墨つけ完了です。
四方すべて測るのもめんどくさいし、面ごとに測るとその時々で誤差も生まれます。
2cm幅で固定した毛引をグルっと回す方が簡単だし精度も出ます。
部材から遠い距離を毛引したい場合は、柄の長い毛引を用意する必要があります。