友人の家に置いてある桐箪笥を引き取ってもらえないか相談されました。
身近な所にも桐箪笥ってあるものだなって感じでした。
何十年と付き合いがある友人なのに、桐箪笥があるなんて知らなかった。
残念ながら修理はしないでこのまま使うとのこと、なので写真だけ撮らせて頂きました。
写真は二つ重ねの桐箪笥です。
亡くなったおばあさまの持ち物だったそうです。
普通の人が見ると黒ずんで汚い箪笥に見えるかもですが、私の見立て的には、黒ずみ以外しっかりしていました。
写真のような古い桐タンスも再生したら綺麗に生まれ変わります。
アンティーク好きの人はこういった感じのほうがいいのかもしれません。
他にも二棹桐箪笥が。
なんと全部で3本も桐箪笥がありました。
こちらの三つ重ねの箪笥は表面上のダメージがひどいので、直すとしたら新しい桐材で作り直さないといけない部分もあちらこちらありました。
おばあさまの嫁入りの時の箪笥でしょうか。
桐タンスって形見的なものでもあるので、ボロイからといって捨てることも中々できないみたいですね。
よく桐たんす修理の仕事なんてあるの?そもそも桐タンスを持ってる人なんてそんなにいないんじゃない?なんて言われる人もいます。
私もこの仕事に着く前は桐タンスの存在自体知りませんでした。でも仕事になったら桐タンスに敏感になります。
何気なく寄った居酒屋さんとか、蕎麦屋さんとか、他の友人は気づかなくても私は桐タンスの存在に気づきます。
友人の家でも見たことはたくさんあります。
興味がない人はその存在に気づきませんし、あるけど見えてないのです。
ですが桐タンスは結構あります、存在してます。
テレビを見ていても時代劇や朝の連続テレビ小説などで昭和をテーマにしていたりすると必ずと言っていいほど桐箪笥や古い日本家具などが登場しています。
ですが確かに住宅事情や時代の流れで昔に比べるとその数は減少しているように思えます。
そんな中でも日本の文化を大切にする気持ちやアンティーク好きな人、親から受け継いだ物を大事にする気持ちがなくならない限り、なくなりはしないと断言できます。
桐たんすの数が減少すれば希少価値が生まれます、欲しいけどない!そんな時がくるのかもしれませんね。