木目を浮き出すためにバーナーで焼きます
時代仕上げとは比較的新しい仕上げだと私は聞いています。
色が変色した古い桐タンスは、それを見るだけで昭和な雰囲気があり、それを好む人も結構います。
時代劇や昭和がテーマの映画なども桐箪笥は必須なアイテムです。
箪笥はしっかり直して見た目をあえて古くみせる感じで仕上げたのが時代仕上げで、新しくもあり古さを残した仕上げといったところでしょうか。
普通のトノコ仕上げですと和室ってイメージですが、時代仕上げのグレーな感じは置くところを選ばずリビングに置いてもおかしくありません。
そんな時代仕上げの再生工程を少し紹介したいと思います。
この仕上げは、木目を出すためにバーナーで表面を焼きます。
その工程で木目が浮き出てくるんです。
色をつけた後、仕上げにニスを塗って木目を出すのですが、そこにも職人の技が生きています。
修理、削りまでは「トノコ仕上げ」とほぼ同じです。
箪笥をバーナーで焼いてる動画
焼きあがった箪笥です。
桐は火に強い特性を生かした仕上げです。
見た目は真っ黒ですが焼けているのは表面だけです。
火事などで桐箪笥が焼けてしまっても中の物を守ってくれます。
(火事の程度にもよりますが)
表面の焼いた炭を落として木目を出しました。
これにニスなどを塗った仕上げにしても、面白いと思います。
↑上置きの引き戸の部分です
焼く時にタンスの中に火が入らないように気をつけます。
念のため火が入って中が黒くなってないかチェックします。
時代仕上げの色をつけました。
この色が下地になります。
焼いた時に木目が出てるので、木の目の部分が高く浮き上がっています。
その高い部分の木目だけを出す作業をします。
木目を出します
どうやって、木目を出すのかは教えられませんが、このように木目を出します。
箪笥の天井の木目です。
木目が綺麗に出てます。
職人の経験と技術が必要な作業です。
こうやって時代仕上げの再生が出来上がっていきます。