桐たんすに限らず家具の角はぶつかりやすく傷つきやすいものです。
へこんだり、欠けてしまったり、まずはしっかりと角を出すために箪笥本体の周りに新しい桐の角材を入れていきます。
割れてしまった所も、深いキズのある所などを補修していきます。
角が立つと見た目もパリっと引き締まります。
正面の本体周りの角もしっかりと補修。
ガタつきや歪みを直しながらの作業します。
引き出しの入り部分は引き出しの隙間を確認しながらこの後入れていきます。
古い桐たんすは色が黒ずんでいるものがほとんどですのでキズや隙間が見にくく後で、あ!ここにも深いキズが!とか、ここの角も削っただけじゃ取れないから新しい材を入れようかなとか、ここも隙間があるから木釘で押さえようかな、とか作業しながら頭の中で考えています。
補修の仕事はやってみないとわからないことが多く、いくら最初の見立てでこれなら○○時間で終わるかなぁって思っていても実際やってみると見立てた倍の時間かかることもあります。
とくに歪みがヒドイ物ですと矯正しながらの作業になるので見立て以上の時間がかかりがちです。
見た目に仕事が進まない日などは今日は何してたんだろうって時も。
もちろん必要な工程なんですけどね。
すべての修理が終わったら鉋で削って平らにしていきます。
鉋で木を削ったことがある人はわかると思いますが、面積の多い部分の鉋がけはとても骨が折れます。
そのため鉋の刃はいつも切れる状態にしておくことが重要です。
とても大変ではありますが、桐たんすを修理に出してよかったと言われると、かけた手間も苦労もすっとんでいきます。
職人なんて単純なものです(笑)
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