家具の塗り直しをしばらくはシンナーの匂いがすることがあります。

匂いに敏感な人なら「塗り直してもらったテーブルがなんだかシンナーの匂いがする!」って方も少なからずいます。

私は家具の塗り直しを長年やっていますが、ごくごくたまにそういった方がいらっしゃるので、なぜ塗り直した家具からシンナーの匂いがするのか?安全性は?について述べたいと思います。

どうしてシンナーの匂いがするの?

まずその話をするには塗料そのものの話になります。

ホームセンターなどで売られている一般的なペンキにも微量のシンナーが入っています。

ペンキをあまり使われない人が缶を開けて匂いを嗅ぐと「うっ!」って感じになると思います。

自然塗料や植物性塗料と呼ばれるオイル系などシンナーが入っていない塗料もありますが、塗った直後は匂いが強烈だったりします。

ウレタン塗装による匂い

テーブルや箪笥の塗り直しの場合、着色してからウレタン塗装を施すのですが、この時の匂いが若干残っているのだと思います。

着色塗料にも匂いはありますが、その上から透明な塗膜で覆われてしまうので、着色の匂いがすることはないと思われます。

ウレタン塗装は、2液を混合して使用するのですが、それをウレタンシンナーで薄めて使用します。

下塗り、中塗り、上塗り、それぞれウレタンシンナーで薄めて使います。

塗布した後は、時間と共にシンナーは揮発していき揮発していくことで硬化が始まります。

とくに形が引き出しのあるような箪笥などは、中に匂いが籠ってしまう場合もあり、納品後に引き出しを開けると若干匂いがする場合がございます。

その匂いって大丈夫なの?

場合によってシンナーの匂いが若干するのはわかったけど、安全性は大丈夫なの?って気にされる人もいますが、まったく問題ないと思います。

もちろん若干であってシンナーのような匂いがするのは不快ですが、比較的早い段階で気が付けばニオイは無くなってしまいます。

匂いだけでなく明らかに体調に影響するような場合は匂いがなくなるまで使用は控えてください。

シンナーの匂いや吸い込んで体に害がある場合の多くは、その塗り直しをしている作業者です。

2液性のウレタンをウレタンシンナーで薄めて、それを吹き付けている時など霧状に散布されているので作業者がたくさん吸い込んでしまうのは危険です。

しかも、作業者は仕事ですので、家具の塗り直しを作業を何十回何百回繰り返し行います。こういった作業を日常的に行う場合初めて健康を脅かす状態となります。

私たちプロは、シンナーを使う時はマスクや防毒マスクなどをして安全に気をつけて使用しています。

閉鎖された空間では作業は行わないか、匂いや埃を吸い取ってくえる空調設備が整った部屋があります。

なのであまり知識のない人が家の部屋の中でラッカースプレーやウレタンスプレーを吹くと危険です。

自分ではいくら大丈夫と思っていても、ラッカースプレーなどが部屋に充満してしまうと意識がなくなり動くごとができなくなってしまう場合もあり、助けを呼びたくても呼べない可能性もあります。

なので、スプレーの注意書きには必ず密閉された部屋での使用を禁止しているはずです。

まとめると

塗り直した家具からシンナーの匂いが若干したとしても時間と共に消えていきます。

若干匂いがしたとしても健康を脅かすものではないので害はありません。

あまりに匂いが気になるようでしたら、塗り直し元の業者や職人に相談しましょう。

明らかに、その匂いが原因で体調がすぐれない場合は匂いがなくなるまで使用はおやめください。

 

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